スイッチを押すとき。
”やる気スイッチはどこにありますか?”
という質問に、
ある人は、PCのキーボードの上と答えたし、
またある人は、珈琲かな、と答えていた。
十人いれば十通りの答えが得られるだろう。
わたしは、モチベーションは確実に存在すると思っている口の人間だったが、
最近、多くの結果を出す周囲を見ていて、ひとつの共通点があることに気づいた。
それは、彼らはモチベーションという最も気分や感覚的に左右されるものに頼っていない、ということだった。
アップダウンがある、浮き沈みの激しいものをはなから当てにしていないのだ。
では、どうしているのか?
それは、モチベーションなどに頼らず、淡々と自らが定めた目標に向かって、決めたことをこなす、
ただそれだけだった。
なるほど。
実に、シンプルだ。
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おもしろい話を聞いた。
キンコンの西野さんが、
ユニフォームで仕事モードになる、という話を語っていた。
彼はアトリエで作業をしている時はあえてエプロンを身につけるようにしているらしい。
別に、絵の具を使うなど汚れる作業をしている訳ではないのにだ。
どういうことかというと、
エプロンをつけると、自然と仕事モードに切り替わるから、ということだ。
よしこれから働くぞ、となるらしい。
ダラダラを防ぐには、ちょうどいいんだ、とも。
漫才をしていた時には、漫才スーツやジャージをユニフォームにしていた、という彼は、TPOに応じた正装つまりゾーンに入れる仕組みをつくっていたということか。
視覚的にも、この時はこれを着るんだ、とルールが決まっていれば安心するし、分かりやすくモードに入りやすいのだろう。
ダラっと出来ないから、シャッキっとするには持ってこい。
なんだか、女性がここぞ、という時にしっかりお化粧をするのに似ている気がする。
基本的に、自宅で作業をしている時も、いつでも出掛けられるように毎朝いちばんにお化粧だけはするようにしている。
すると、自然と背筋が伸びて、体がシャンっとする。
自宅なら、仕事場までわずか5秒、の距離にあったとしても、
たったこれだけのことで不思議だけれど、いわゆる寝起きの顔に部屋着やパジャマで過ごしている時とは、比べ物にならないほど、頭も体もシャンとする。
彼は、性格は服装に持っていかれる、とも語っていた。
真っ先に、
セルフブランディング...
という言葉が浮かんだ。
たしかに、洋服や身につけるものは、自分のセルフイメージを作り上げるのに、自他ともに十分な効果を発揮する。
無意識のうちに、こう思われたいイメージを外部に向けて発信しているもの、それが洋服だ。
鏡に映った自分をまざまざと見続けている訳ではないし、お洒落も他人のためにしていることとほぼイコールになる。
恋人とのデートに、かなり念入りにお洒落をして、相手の男性が気合いの入ってないと感じさせる服装で来られると腹が立ってしまう女性が多いのも、(つまり大切に思われていないと感じてしまうこと)のも、なんかうなづける話だよね。
マスクの着用で、口紅の購入需要が落ち込んでいる。
どうせ、マスクをするから塗らなくていいや、という女性が多いという訳だ。
コロナの経済的打撃はこんなところに拡がっているのだな、と思った。
みんなこぞってマスクをしている。
電車に乗っても、カフェに入っても。
いつまで続くんだろうか。
病は気から、と言うように、暗い気持ちに引っ張られそうになるのをグッと堪えて、せっかくなら、自分に似合う色のルージュを塗って、口角上げて笑っていた方が幸せな気分で気持ち的にはコロナに勝てるとわたしは思っている。
楽しくお洒落して、大手をふって出掛けられる日が1日も近いことを願ってやまない。