旅と時々、アファメーション

旅と時々、アファメーション

チキンだけど、冒険好き。

失っても、失われないもの

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気心の知れた数少ない友人のひとりに、

 

遺跡の修復を生業としている”N”がいて、

 

彼女は自分の仕事を心底誇りに思って取り組んでいる。

 

「死ぬまで、この仕事をし続けたい

 

いつも聞き上手な彼女が、仕事の話をする時は、別人になる。

 

いや、同じ人物なのだが、完全に職人タイプで控えめな様相からは想像に難い、瞳の奥をキラキラと輝かせて、こちらに熱く語ってくれる姿は、本当にカッコ良くて、羨望の眼を向けずにはいられない。

 

真剣に向き合って得たスキルは、

 

宝物。

 

自分の仕事を心底愛しているんだなぁ、と

 

彼女が体現してくれているようにわたしには感じる。

 

それに比べて自分はどうだ...?

 

最近まで、多趣味=飽き性だと思っていたし、

 

職人さんのように、ひとつのことだけに絞って淡々黙々と向き合えない自分はダメなのかな、と思い悩んだりしていた。

 

軸はあっても、柱を1本だけに的を絞って伸ばしていけない、もしくはその1本柱がまだ見つかっていない自分がまるで悪のように感じてしまう謎の病にかかっていたのだ。

 

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雲が晴れる転機となったのは、自分の気質を受け入れ、その領域で良さが発揮される選択を繰り返していくことを決めてからだった。

 

1つに絞ることが善、だと思っている前提を疑うと、

 

元来、1つに絞ることを天は自分に求めていないんじゃないだろうか...?

 

その領域で頑張ろうともがいている限り、今以上にはなっていかない気がするな...。

 

と思い身体と心が軽くなった。

 

いろいろやってみて分かりつつあるのは、最終的には、自分の好きなものしか残っていかないということ。

 

それは、事実だった。

 

10代後半から20代の大半にかけては、そんなことを分からせるための時間だったのかな、と思わされる。

 

ある頃は、

 

都会の喧騒を離れたい、と週末に弾丸でスノボーのために信州の雪山を目指したり、

 

美味しいパンを焼くからと意気込んで、早朝から天然酵母の発酵具合を気にし、目的が次第に捏ねる作業に集中することによってストレスを減少させていくことにシフトされていったり...

 

お行儀よく正座をしては足の痺れと格闘し...必死の形相で「結構な御点前で」とニッコリ笑って言う姿は、滑稽であるがいずれにしても本人は真剣であった。

 

ここに挙げたのは一例だが、こんな風にいろいろやっていた掴みどころがない自分の性格も、自分という引き出しを増やすお役目は買ってくれているのかな、とようやく思えるようになってきた。

 

どこかでまとめていかないといけないとは思っているが。

 

もう一度書くけれど、いろいろやってみたけれど、本当に自分が向き合っていきたいことしか残っていかない。

 

現時点において、わたしの場合は、文章に触れることとアートな世界観、デザインに関わること、旅をすることがそれにあたる。

 

培った経験や得たスキルは、たとえそれを手放しても、向き合う対象が変わっても失われることはないと気づいた。

 

分かりやすい資格というカタチあるものではなくて、

 

たとえば、フットワークの軽さとかチャレンジしてみたいと思う心、とか。

 

カタチのないものにも、価値があるように思えてきたのだ。

  

バトンタッチはしても、また別の領域で伸ばしていける可能性を秘めたタネであったことに気がついた。

 

方向性やベクトルは同じに、ということだけ、どうなっていくか分からない未来に自分と約束しておこうと思う。

 

自分の人生だから、自分の選んだ道を正解にするしかない。

 

会社も社会も究極的には、肉親も誰も自分の人生の責任は取ってくれないし、こんな頑固な自分は誰かに舵なんて渡してる場合じゃないなと。

 

真剣にやることで見えてくる世界が変わってくる...

 

真のクリエイターに嫌々やってる人なんて一人もいない。

 
表現しないと死んじゃうくらいのノリで、今日も生きてる。


人生は、本気になれるものに出会えた分だけ豊かになると信じているから。

 

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ちょっと熱すぎるくらいのノリで書いてしまったが、心の底でいちばん熱い部分なので見逃してもらおう。

 

アイスでも食べてちょいと冷却しよ。

 

【余談】

 

わたしの人生を変えるきっかけを与えてくれた本を1冊ご紹介します。

 

稲盛和夫さん「生き方 -人間として一番大切なこと-

 

amzn.to

 

京セラ・KDDI創始者稲盛和夫さんの本です。

一経営者として、人として尊敬してやまない方です。

 

出版年は2004年と決して新しくはないですが、今読んでも色褪せず本質が書かれています。

 

6年程前にはじめて読んだとき、全身がカッと熱くなって言葉の力の強さを思わされました。

 

あれからもう何回読んだことでしょう。

 

魂に刻み込むように、迷った時はここに戻ってこよう。

 

そんな気持ちにさせてくれる大切な1冊です。