旅と時々、アファメーション

旅と時々、アファメーション

チキンだけど、冒険好き。

太陽のタマゴ

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「ぐぅ~」

無事に出国できたところでわたしのお腹が盛大に空腹を告げた...。自宅を出発してから機内も含め、飲まず食わずなのだから無理もない。ごめん、ごめん。ということで、まずは腹ごしらえをすることに。空腹になるととたんに不機嫌になるので、自分を甘やかしている。

 

多くの観光客の常套ルートであろう『Ben Thanh市場』へご多分に漏れず、わたしも行ってみた。一見したところ、ローカルの台所のように映るこちらの市場は、今ではあくまでも観光客が雰囲気を味わうための場所ということであった。

市場は食べ物を扱うところとローカル雑貨や衣類を扱う店舗とが所狭しと軒を連ねている。炎天下を逃れてようやく市場内に日陰を見つけたと思ったのもつかの間、こちらは湿気と熱風で蒸し風呂のように暑い。椅子に腰掛けうちわや扇子で自身に風を送る人たちでいっぱいである。

ただ歩いているだけでも四方八方から「おいでおいで」と手招きされる。先を阻まれるように、ローカルフードを提供するご飯屋さん、RGBを原色のままに使ったといっても過言ではないほど色とりどりの細工を凝らすデザート屋さん、ジューススタンド、ドライフルーツ屋さん...が声をかけてくる。

ちょっと立ち止まったところでメニュー表を見ても刷り方が統一されているのか一見して大した違いがあるとは思えない。これ以上見ても余計悩むだけでキリがない、と大雑把に市場内を見回し、もういい加減決めよう...と思ったところで、チャーミングなお母さんと目があった。

「デザート?スムージー?おいしい」とところどころ日本語まじりで声をかけてくる。メニューを見せながら、おすすめを指差してくれる。たしかに美味しそうではあるんだけど...市場の水にあたってしまう万が一のリスクと、とっても甘そう、という偏見から注文するのをためらってしまった。ならではと、スタンドを見渡したところでたくさんのマンゴーが籠に入っているのを見つけた。メニューにはなかったけど、「これこのまま食べれる?」とダメ元でお願いしてみた。嫌な顔をされるかな?という心配をよそに「ちょっと待ってて」と喜んでこちらが食べたいと思うような大きく赤く熟した実を選んでくれて、慣れた手付きで皮をむいて提供してくれた。最初、大量の氷とともに器に盛られて出されたのを見て、ぎょっとしたけど(氷も避けた方がいいかなと思って)そのままではぬるいマンゴーを少しでも美味しく食べれるようにという配慮に感謝していただくことにした。

 

30,000ドン。

 

大きな一塊を丸々剥いて提供してくれて

 

日本円に換算して

 

144円(安っ)

(もうこれ以上高値では買えん)

 

実食。 

 

わたしが東南アジアではじめて食べた太陽のタマゴは、見た目の想像を裏切らない、正真正銘南国のマンゴーだった。赤く熟していて本当に甘くてまさに食べ頃と言わんばかりのそれが器の中でどんどん冷えていく。ひとりじめするように大きく口を開けて頬張っていただいた。

わたしがマンゴーを食べている間、お客さんがいなくて暇だったのか、お店のお母さんが隣に腰掛けてきて、わたしの頬や腕に触れきてずっとラヴリーだと言い続けてくれた。褒められたから言う訳ではないけれど、お母さんこそとってもチャーミングでラヴリーな顔立ちをしていた。

 

何となく自分がこのお店に惹かれた理由が分かった。

続く…

 

 

【両替】

余談ですが… 両替は市場内中央にある両替所にておこなうのがおすすめです。手数料も誤差の範囲でものの数十円程度。お札も全て新札にて両替されてきました。

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