旅と時々、アファメーション

旅と時々、アファメーション

チキンだけど、冒険好き。

いざ、東南アジアへ

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はじめて、ホーチミンの地に降り立った時、意外と...いや、百歩譲ってかなり暑い、と思ったことを鮮明に覚えている。

ユニクロのウルトラライトダウンジャケットを機内で脱ぎ去り、小さく折りたたんで綺麗に収納した。日焼け防止に長袖のパーカを羽織り、ジーンズにナイキのシューズ。わたしのお決まりのバックパッカースタイルに変身。うーん。それにしてもどう考えても暑いなぁ...。

空港から出た瞬間から、すでにたくさんのタクシーの運転手からの客引きにあい、ついに東南アジアにきたな...と実感した。

いつ、いつにはここに移動して...とおおまかな旅程こそ立ててはいるものの、細部の旅程に至ってはいつもその地に着いてから己のフィーリングと相談してから決める、一人旅のはじまりはいつもこんな風である。というのも、せっかく旅に来たからには、何者にも支配されず、気の赴くままその時の気分とタイミングに乗っかりたいというのが旅の常で今回もご多分に漏れず、そんな感じで旅がスタートしたのである。

「そうだ、東南アジアへ行こう!」と思い立ったのは、世間がコロナウイルスに揺れた盛りの1月下旬。本人の行きたい気持ちをよそに、周囲の猛反対を受け、それでも行くのだ!とそこから、旅の拠点をホーチミンに決めた理由は、単純に大阪からの直行便があったこと、また航空券が安価で買えたこと、それから東南アジアを周遊するにはホーチミンを拠点にする方が他諸国へのアクセスも◎ことなどからである。

明日世間がどうなっているか、また自分の気持ちがどこへ向いているか分からないのが世の常である。次いつ行こうと思ったタイミングで行けるなど分かったことではないし、行きたい場所でやりたい事は思い立ったそのタイミングでやっておくのがベストである、という選択を二十代前半のいつ頃からか人生の指針にしている。

前置きが長くなったが、まずはSIMカードを入手すべくカウンターに寄ってみた。昨秋、ヨーロッパを周遊した際に、フィンランドヘルシンキ空港について自分のiPhone XSIMフリーになっていないことに気づきうろたえた。この時ばかりは、1ヶ月1枚のヨーロッパ全土で使えるSIMカードを律儀に3枚も携えて旅に出たのに、ロックが解除されていない、という致命的なミスに到着後気づく...大馬鹿者とはわたしのことである。そのようなミスをしたおかげで帰国後すぐに携帯ショップへ行き3,000円という微妙にイタい手数料を支払って、晴れてSIMロックフリーの自由の身を得たのである。今回、ベトナムへ来るにあたって日本にいる間にAmazonでの購入を試みたが、時すでに遅しで出発までに間に合わず、こうして到着後に買うハメになった。空港カウンターには、5,6店舗...いや、もっとあるか?個人でやっている零細商店などを入れれば有に7,8店舗は超えるだけのSIMカードを販売しているショップがありそうだ。どれも見た目には、変わらなさそうに見えるし、この際どこでもよいのか?と思えてしまえる。事前にどこがいいとか、調べていれば話は早かったものの、案の定していなかった。事前にキチンと調べているのであろう旅行者さんたちにどんどん先を抜かされたが、わたしも空港の無料Wifiをお借りして、どこが良さそうなものかと一応調べてみることにした。そして、ベトナム通信キャリアシェアという記事を見つけて、2012年統計(古っ)では、Viettel(ベトテル)という日本でいうNTTdocomo的な存在がシェアの1位を占めていることが分かった。もう、余計に迷うことはしない、とここで契約することを思いつき、カウンターに向かうことにした。面白いことに先に挙げた彼らも多くはViettel(ベトテル)のカウンターへと並んでゆく。これはもうここしかないな、と確信を得た。

少し前なら、具体的にいうと2年前に一人旅をした時には、まだ空港で海外レンタルWifを借りて旅立っていた。なるべく身軽に旅をしたいわたしにとって、この小さいとも言えないサイズのレンタルWifiはネット環境こそ比較的安定しているものの意外と場所を取るし、充電もしないといけない、そして万が一充電を忘れてしまった日には、夕方までバッテリーが持つかひやひやで観光どころではなかったのは記憶に新しい実体験である。時代は、便利になったものだ。そして、これからもどんどん便利になってゆくであろうテクノロジーの発展に期待したい。

そうこうしているうちに、自分の番がやってきて、滞在日数と必要な機能(テキストメッセージのやり取りだけを希望しているため電話のプランはいらないこと)を簡潔に伝えると手慣れたお姉さんがサクサクと設定をしてくれた。ネットの情報ではクレジットカードは使えないということだったが、時代は変わり、今では使えるようになっていた。実際、クレジットカードが使えないのであれば、決して安いとはいえない手数料を支払って、わざわざ空港で両替をしないといけなかっただろうから、助かった。情報収集の時間を除けば、購入から設定、退散に至るまで、ものの10分?もかからなかったくらいだっただろうか?控えめに言ってとってもカンタンである。ふぅ、これで晴れて自由の身となれる!と空港出口で改めて喜びを噛みしめたところで、あれ?そういえば、日本で使っているSIMカード受け取ってへんよな?とギリギリセーフで気づいた。慌ててカウンターに戻り、担当してくれたお姉さんに、「古いSIMカードはどこ?」と矢継ぎ早に聞いてみた。ちょうど、お昼の時間だったので、お弁当を片手に「さっき渡したカードに貼りつけたから、見てごらん」と毛だるそうに言われた。そりゃ、そうだ。何者にもお昼の時間は邪魔されてはなるまい!その気持ちこそわかるが、そんなカード受け取ってへん...!!!!と思って言い返した。「いや渡した」→「もらってへん!」の攻防戦の後、ふとお姉さんが手元に目を落とした瞬間...「ごめん、ここにあったわ...」というか細い声が聞こえてきた。ガるるるっるゥっ!噛みつきたい気持ちを抑え、ありがとう、を伝えてようやく退散。こうして今度こそ、晴れて自由の身となったのである。

 

続く...