0を1にする、ということ
母からメールが届いていた。
“1年後にベトナムにいるなんて夢にも思わなかったね”
ハッとした。
カナダから帰国してちょうど丸1年が経っていた ー
当時、誰が1年後にベトナムに来ていることを想像できただろう、と思う。
グァバジュースを飲みながら、そんなことを考えていた。
自らが自らの意思によって選択した未来。
結果、根本からとことんまでへし折られた自信、完全に失った自尊心。
何が正解なのか分からなくなって、突破口も出口も見失った。
人生であんなに暗かったことはかつてないほど暗かったと思う。
人間の自己防衛反応というのはうまく出来ているようで、
たとえば短期間のうちに過度なストレスや衝撃を受けすぎると
自然とその記憶を脳内メモリーから消す、ということが出来るらしい。
道理で記憶が断片的でところどころうまく思い出すことができないのかと
今になって思ってしまう。
生きる意味も希望も失っていた、あの頃。
苦しくて毎朝、窒息するように目覚め、
真冬であるのに気づいたら大量の汗を掻いていた。
もう立ち直れないかもしれない。
本気でそう思っていた。
しばらく時間が経って、極限状態から、抜け出す際の一筋の光は、
旅に出たい、という心からの本心だった。
お陰で
今すっごく、生きてるって感じがするんだ。
好きなものが見つかった。
やりたい事も見つかった。
あとは全力で追いかけていくだけ。
その過程で自分なりの想いをどんどん膨らませていけばいい。
今日は、新たに生まれ変わったわたしの1歳のお誕生日だな。
続く...